moonbath

Fate クー・フーリン×エミヤ 偏愛サイト TOP画像/Crimo様

Offline - Book-list(2014)

ABSOLUTE GUARDIAN ―SP&G合同誌―

2014年3月16日発行/A5/P116/木村理真さん 篁弥生さんとの合同誌/イベント価格:1000円/通販分<完売>

<奈倉分/サンプル>

「あっ……、ふ」
 薄い唇から、抑えた声が漏れる。
 ベットに横たわるしなやかな獣を組み敷いた男は、その身体中にキスの雨を降らせた。
「ん、んん……ッ」
 滑らかな肌の下にある、しなやかな筋肉を指で辿る。鍛えた胸筋に指を食い込ませると、女性の柔らかさとは違うその弾力に、つい夢中になって揉みしだいてしまう。
(やべえ、男の胸揉んでんのに、超興奮する)
 思わず自身の勃起したペニスを、アーチャーの太腿に擦りつけてしまう。
「あッ」
 すべすべで滑らかな肌の感触がたまらなく良い。挿入がもし無理そうなら、この脚で挟んでもらってもいいかな、とランサーはいやらしく笑った。
「……ッ」
 指が飾りのような先端に触れると、アーチャーは身じろいだ。
 褐色の肌にそこだけいやらしいベビーピンクの小さな器官。その縁を指で辿る。
「や、弄、らないでくれ……ッ」
「なんで?」
「だって、そんな、男が――そんな所」
「感じちゃう?」
 くす、と笑って指先で先端を摘まむ。ひっ、と小さな声が漏れるのに気を良くして、もう片方の乳首は舌で舐った。
「は――ッ、あ、あ……」
 じゅる、と舐めしゃぶると、ただの飾りであったそれが、ふっくらと膨張する。
「勃って来た」
「やめ……」
「ホントに止めて欲しい?」
 ランサーの悪戯めいた声音に、一瞬遅れて、アーチャーは、ああ、と返事する。
「嘘吐きには、お仕置き」
 乳輪ごと、乳首にがぶりと歯を立てる。もちろん傷付けないよう絶妙な力加減で。
 歯に感じる肉の弾力が、たまらない。このまま噛み切ってしまいたくなる程だった。
 その誘惑をなんとか押さえ、チラ、とアーチャーを見上げると、潤んだ瞳とぶつかった。
「こう、されるの――噛まれるの、好き?」
 今度は素直に頷いた。
「アーチャーの肌は、キスマーク付きづらいから、じゃあたくさん噛んでやるよ」
 カプリ、と肩に噛みつく。
 もっと、と甘い声が強請った。
 その声に押されて、もう少し力を込める。
「もっと、噛んで――たくさん、して」
 犬歯の下で、肌がぶつりと切れるのがわかった。慌てて口を離すと、
「もっと――ランサー、噛んで」
 そう、濡れた声が促す。
「君の、証が――欲しい」
 所有の証を付けてくれと、潤んだ瞳がランサーを唆す。
「痛いのが、好きなのか?」
 違う、とアーチャーがかぶりを振る。
「君がくれる痛み、だけ」
「アーチャー!」
 なんて男だ。
 あんなにもストイックで、清廉な身体の下に、こんな淫らな本性を隠していたのか。
 それも。
 ランサーだけに、見せると。
 ランサーだからだと。
 そう言っているのだ。
 ガリ、と左の胸をきつく噛む。血が出る程のその噛み痕を、アーチャーはうっとりと指で辿った。
 そうして、もっと欲しいと。
 この身体にランサーの所有の証を付けて欲しいと。
 まるで甘い毒のような声で、アーチャーはランサーに強請った。

 感じる場所を探しては、舐め、しゃぶり、歯を立てる。
 まるで喰われているようだと、それが嬉しいと、アーチャーは快感に鳴いた。
 ランサーも自分の中にある獰猛なケダモノに驚いていた。こんな風にまるで喰うように抱くことなど今までなかった。
 少々乱暴に扱っても壊れないだろうしなやかな身体がそれを助長させるのか。優しくしたい、と思うと同時に、喰らい尽くしたい、という身体の奥底から沸き上がるその感情に、戸惑う。
(何が……つまらない、だ)
 酷く興奮する。
 はあ、と息を吐いて落ち着かなくては、その狭い、誰も受け入れたことのない場所を無理矢理拓いて怪我をさせそうだ。
 なだらかな双丘に指を食い込ませ、その秘めた場所をさらけ出す。生真面目なアーチャーの事だ、きちんとここも綺麗にして来たのだろう。石鹸の匂いがするアナルに舌を這わせようと顔を近づけると、アーチャーが初めて本気で嫌がった。まさかそんな場所を舐められるなどと想像もしていなかったのだろう。
「――い、いやだ、やめ……ッ」
「本当に嫌? 俺、舐めたいんだけど」
「き、汚い、からっ」
「ちゃんと中まで洗って来たくせに」
 俺に入れられるの想像して、綺麗にして来てくれたんだろ?
 本当に可愛い、とランサーは嬉しそうに言う。
「なあ、舐めさせて?」
 甘えたように強請ると、アーチャーは身体を固くしたまま、小さく頷いた。
 薄ピンクの窄まりに、ちゅ、とキスをした後、舌でべろりと愛撫した。ひくひくと蠢く小さな入り口を、宥めるように何度も舐め――唾液を送り込む。
 自分の中に何の躊躇もなく、それどころか興奮しかしないという事実に苦笑するしかない。
「あ、や……あっ、ランサー!」
 それでも無意識に逃げる身体を押さえつけ、狭いアナルに舌をねじ込む。
「あっ、あ、あ……ッ!」
 アーチャーは羞恥に身悶え、シーツをきつく掴んだ。
「すげェ、だらだら零して……こっちも舐めて欲しいんだ?」

< リストに戻る

Page Top