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眠れる森の美女と野獣

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2014年5月3日発行/A5/P52/イベント価格:500円/通販取扱:とらのあな様
表紙:宇太様

<サンプル>

自国であれば城すらも己の魔力で建造出来る男はしかし、小さなテント暮らしを大変気に入っていた。
「ここなら誰にも邪魔されねェからな」
そう言って笑い、ひょいと自分よりも大柄な男を肩に担ぎ己の巣穴まで連れ込んだのが始まり。本当に嫌ならこの首を撥ねろと白い刀を首筋にあてがっても怯まなかった。首筋にうっすらと走る傷痕に口づけし、アーチャーは自ら男に跨がった。
自覚はなかったが、誘ったのは己のほうだったかもしれない。同性とセックスするのははじめてだったが、知識はあったし、苦痛には慣れていた。痛みの中から僅かな快楽を探しそれに溺れるアーチャーを、ランサーは楽しそうに喰らった。
それからこのテントは、二人が秘密の時間を共有する為に存在した。
小さな、とは言っても本格的なそれは六畳ほどもあったし、基本的に風呂もトイレも必要ないサーヴァントの身では設備的に問題はなかった。流石に立って歩けるほどの高さは無かったが、大柄な男二人が寝転んでも全く問題はない。
もしこれが他の場所であったら、アーチャーはランサーを拒んだかもしれない。いくら魔術で結界を張ったとしても、人の目に触れるかも知れない場所で無防備な姿を晒すなど到底許容出来ない。
戦場では十日くらい着替えもせずに居た事もある。心を許せぬ他人の前で武装を解くなど考えも出来なくて、それなら多少の不自由さを選んだ。常に銃を抱き、僅かな気配に神経を尖らせ。肌の色が変わりはじめてからは、柔らかい肌に慰めを求める事すらしなくなった。
だからこの行為自体が、アーチャーに取っては未知に近いものだ。
かつて抱いた優しい身体とは明らかに違う。固く、逞しく、美しい――まるで神話そのものの彫刻のような男の身体は。嫌悪よりも興味を、拒絶よりも許容を、そして興奮をアーチャーの内から引き出した。
「ん……、は……っ」
己の腰に顔を埋めて熱心にそれを舐めしゃぶるアーチャーの髪を、ランサーは優しく撫でた。
「ん、気持ち良いぜ」
いいこだ、とでも言うように優しい声音に褒められて、アーチャーは唇を大きく開きその怒濤を口腔内に導いた。
じゅる、といやらしい水音と共に、舌を使い裏筋を舐める。
美しい男は、こんな所まで美しいのかと、アーチャーはいつも思う。
張り出したエラから血管が浮いた幹を舌で辿り、その形を味わう。
まるで命を食んでいるかのようで。己の口でこの男が気持ち良くなっているのを感じるのはとても好きだった。
その先端から溢れ出る欲望の証も、たっぷりと魔力を含んでいてまるで甘露のようだ。けれどもそんなものがなくても、きっとこうして舐めしゃぶるだろうと思う。
ふ、と鼻にかかった甘い声に、興奮する。
感じているのだ。
じゅる、じゅる、と己の唾液が絡んだ太く逞しいペニスを出し入れする。きゅ、と窄めた唇で吸ってやると、ひくりと快感に震えるそれが、とても愛しい。つつ、と溢れた唾液を指でその含み切れない根本にすりつけ、その下の充溢した果実にも触れる。カリ、と痛みではなく快感のみを感じる程度に爪で引っ掻いてやると、内腿にぎゅ、と力が入った。そのまま唇で辿り、たっぷりと張った陰嚢まで舌で舐め、歯で擦る。ぱくりと口の中に咥えしゃぶると、ひくひくと震えるのが愛しい。内腿を撫で、その張りのある滑らかな肌とその下の筋肉を堪能する。
そのまま掌を逞しく張った尻へと動かし、その固い感触を楽しむ。挿入したいとは思わなかったが、ランサーが己の手管で感じるのはとても好きだ。
お返しのようにアーチャーの尻に男の手が伸び、いやらしい手つきで揉みしだく。そんなささいな愛撫でもランサーのペニスを舐めて興奮した身体に油を注ぐのは十分だった。服の上からのそれに焦れて自らズボンを下着ごと蹴り落とす。
手を伸ばし常備してあるジェルを取ると、自らの手でその狭い場所に塗った。
そのいやらしい眺めに、くっ、とランサーの腹筋がうねる。
見せつけるように自らの指で固く閉ざされた入り口を撫でる。ぐん、と口の中のペニスが硬く大きくなるのに、小さく笑った。く、と指先が入り込むと、尻を掴む男の掌が強くその肉をひしゃげる。ぐ、と痛いほどに食い込むその指が、欲望の強さを現しているようで、嬉しかった。
ああ早く。
この素晴らしい肉で己のナカを擦って欲しい。
性急な手つきで後ろを慣らしていると、太いランサーの指が強引にねじ込まれた。
「……んっ」
己の指二本と、男の太い指を飲み込んで、アーチャーのアナルがひくりと震える。ぎちぎちの入り口に、もう一本指を挿入しようとするランサーに、お返しのようにそのペニスに軽く歯を立てた。
髪を撫でていたランサーの手が後頭部を掴み、ぐ、と喉の奥まで押し込む。ぐう、と苦しげに唸るアーチャーのその狭い場所を楽しむように、自ら腰をぐいと押し込んだ。

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