moonbath

Fate クー・フーリン×エミヤ 偏愛サイト TOP画像/Crimo様

Offline - Book-list(2014-2)

X-ROOM

book_l_20

2014年11月30日発行/A5/P36/イベント価格:400円/通販取扱:とらのあな様
表紙:宇太

<サンプル>

 武装ごしに太腿を撫でる手つきが妙にいやらしい。サーヴァントになってからは、全くそういった意味での身体の接触は無かった。しかも、相手は敵であり、殺すべき相手。今は仮初めの協力関係に在るが、いつ戦争が再開されるかなどは解らない。
 その首を。心臓を。四肢を。切り落とし、壊すのに躊躇いは無い。
 そうしてランサーも。
 私の身体をその槍で貫くのは至上の喜びであろう。戦うためだけにサーヴァントとなった英雄にそう思われるのは私とて喜ばしい――取るに足らぬ相手であると、歯牙にも掛けられぬのはあの時だけで……いや違う。私は勝利だけを望む。どのような経緯でそれを得たとしても良い。全ては成果で洗い流せる、ランサーに語ったのは本心であるし、それで良いと。ずっと。そう。
「……んッ」
 内腿の、付け根ぎりぎりを撫でられて、思わず声が漏れそうになるのをなんとか堪えた。
 武装姿で殺し合いでは無いものをしているという感覚がどうにも上手く受け入れられなくて、戸惑っている内に、ランサーはやけにしつこく脚を撫で回した。
 余り感覚は鋭い方では無いと思うのに、ランサーのその指だけは、リアルに感じる。ふいに股間に触れられて、思わず逃げそうになるのをがっしと体重を掛けて押さえつけられた。体格的には私の方が勝っているのに、筋力差はいかんともしがたく。本当にむかつく。
 武器が呼び出せなくて幸いだ。もしそれが出来たら、きっと今私の両手には双刀が握られて目の前の男に切りつけていただろう。
「ちゃあんと勃ってるじゃねぇか――まあこれならいけるか」
 武装ごしに長い指が、股間を撫でる。
 生前の機能を全て摸した身体は性的にも興奮する事は可能だ。そうしてランサーの指摘通りに、ほんのわずか兆したそれを、尚も刺激されて、徐々に堅くなって行くのは仕方無い――それに、これからセックスするのだから、機能しないと不味いだろう。
「武装解除しろよ」
 そう言われて、全裸になるのはどうにも心もとないし、かといって下半身だけ露出するのも間抜けな気がして、戸惑っていると、ランサーはさっさと全裸になってしまった。
「……ッ」
 思わず息を飲む。彫刻の様に美しいその身体、そうして腹に着く程持ち上がっているペニスすら美しい――っていうか、私の脚を触っただけでその気になった、というのか?
「アーチャー?」
「ったく君は本当に思い切りが良いな」
 仕方無く、それに倣う。ああ本当に。凛とバゼットがいなくて幸いだった。こんな姿、絶対に見せられない。
 と、長い指が伸ばされ、それを直接握り込まれる。
「……ッ」
 思った程の嫌悪感などは無くて、ほっとする。ここで萎えてしまったら条件がクリア出来ない。
「おお、けっこうでかいな、アーチャー」
 ぐ、ぐ、と慣れた手つきで扱かれ――それはそうだろう、同じものがこの男にも付いている――半勃ちだったそれがすっかり勃ち上がる。
「なあアーチャー、ローション投影してくれよ」
 もっと気持ち良いぜ、と唆される。君はいったい何でそれを知ったのか……まったくこの英雄どのは、浮き世に塗れすぎだ。
 ローションなどは成分も知らないから投影出来ない、代わりにオリーブオイルで良いかと聞く。食用なのだから、粘膜に使っても問題は無い筈だ。たぶん。
 なんでもいい、と笑う槍兵に瓶ごと乱暴に差し出すと、サンキュ、と律儀に礼を言われた。
 封を切ると、エキストラバージンオリーブオイルの爽やかな香りが立ち上る。
 ランサーがそれを掌に取ると、そのぬるついた手で再び触れて来た。
「……ッ」
「良さそうだな」
 にゅる、と淫らな音を立てて、上下に擦られる。
「まずは試してみようぜ、〝コレ〟でいいかどうか」
「な、にを――」
 試すつもりだ、と言いかけ、ランサーが身体を寄せて来て、あろう事か私のそれ、に自分のものを擦り付けて来た。
「……ッ」
 あたりまえだが、生暖かく、まるで生き物のようなそれにぞっと背筋が戦く。嫌悪――なのだろうか、これは。
 やめろ、と言いかけて、なんとかそれを飲み込む。
 ふ、と苦笑にも似た吐息と共に、ランサーが何かを言いかけたのがわかった。けれどもそれは音になる前にその唇に飲み込まれ、代わりに大きな掌が二本一緒に筒にしたそれで握り込み、ぬめりを借りてゆっくりと上下に動かしはじめた。
「っ、は――」
 熱い。
「ほら、おまえも」
 手を取られて、触れさせられた。
 初めて触れる自分以外のそれ。気持ち悪い、と思って当然なのに、それがこの美しい英雄のものだと思うと、なんていうか――。
「んッ」
 ぐり、と自分が触れて一番気持ちの良い場所を親指の腹で擦ると、小さな声が洩れて。
 思わず顔を上げて、その表情を見てしまい、途端に後悔する。
 さぞや我慢して不機嫌な顔をしているのだろうな、という予想は見事に外れ、むしろ楽しそうな表情にしんそこ驚く。どこまで器が大きいのか――。
 くそ。
 やけくそのように、ぎゅ、と強く握りしめ、二本のペニスを乱暴に擦りあげる。
「痛い位が好きなのか」

< リストに戻る

Page Top