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Fate クー・フーリン×エミヤ 偏愛サイト TOP画像/Crimo様

- Book-list(2016)

発情兎と気弱な狼

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2016年1月10日発行/A5/P24/イベント価格:300円/通販:とらのあな

表紙イラスト:水玉キノ子

<サンプル>

 じゅる、じゅる、と、いやらしい水音が漏れでる。舌を絡め、唇で挟み、しゃぶり――今は口腔内で柔らかく刺激してくれている。
 さんさんと陽の光が降り注ぐ森の中である。その痴態を遮るものは一切無く、上下する頭と、ぴょこぴょこと揺れる耳をぼんやりと見詰める。
 行為が始まる前に一帯に結界は張ったから、邪魔される事は無いだろう。
「んッ、ん……ふ」
 先走りが漏れ出る度に、嬉しそうに先端の穴を啜られ、こくりと飲み込まれる。精液ほどでは無いが魔力が含まれているそれは、飢えた身体には何よりのごちそうであろう。それだけでは無い熱心さで、舐め、しゃぶっているが。
 決して上手とは言えない口淫に、それでもその行為を他でもないアーチャーがしている、という事実に。柔らかい舌で感じる場所を舐められ、射精したくてたまらなくなる。ぴくり、と腹筋が動き、何もしない、と宣言したのに、腰が動きそうになる。
「――飲ませてくれ」
 その為の口淫だというのに、どうにも戸惑っているランサーを、その強請る甘い声が後押しする。
 現界まで勃ち上がったペニスを咥えると、アーチャーは再び頭を上下させた。今度は喉の奥まで使う、長いストロークに射精感が限界まで高まる。
「……くっ」
 無意識に、その頭に手をやり、耳を掴んだ。
「ふぁ、ん、んんッ」
 びくびく、とアーチャーの身体が撥ねる。フェラチオで興奮仕切った身体が、耳を掴まれただけでいってしまったのだ。喉の奥がぐうっと締まり、その刺激に、ランサーも欲望を吐き出していた。
「ぐ、ぅあ、……ん、んんッ」
 強烈な嘔吐感をなんとか堪え、こくりと甘い精液を飲み込む。魔力がたっぷりと含まれたそれは、先程飲んだ血液と同様、いや、それ以上に喉を焼いた。その痛みすら、喜びで。
 じゅる、と先端の穴に吸い付き、中の残滓を吸い取る。欲望を吐き出して萎えつつあったそれを熱心に舐めていると、再び硬さを取り戻して来た。このまま舐め続けてもいいのだろうかと、ランサーをちらりと見上げる。
「……好きにしろ」
 上気した目元が色っぽいな、等と思いながら、アーチャーは再びそのペニスを熱心に愛撫し始めた。

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